日頃コールセンターで勤務をしていると、「さいきんあの人を見なくなった…」など、顔見知りの人が突然退職していることはありませんか?
コールセンターは他の業種とくらべて「離職率」が高い職業と知られており、研修の途中で退職してしまう人も珍しくありません。
では、なぜコールセンターの離職率は高くなってしまうのでしょうか?

そこで今回は、離職を招いてしまう原因と、マネジメントをおこなう上で注意すべき点をご紹介します。

 

1.コールセンターの離職率が高くなってしまう理由

コールセンターでおこなわれている業務は多岐にわたりますが、どのような業務であっても、専門知識・丁寧な電話対応が必須となります。
しかし、離職率が高くなってしまうと、せっかく研修をおこなったとしても、成熟したオペレーターを育成できず、お客様を満足させる対応は到底できません。
こちらでは、離職を招いてしまう主な原因である3つを解説します。

 

1.1.非正規雇用が多い

コールセンターは非正規雇用の割合がとても高く、正社員は管理職や一部のオペレーターのみで構成されていることがほとんどです。
正社員と同じ仕事をしていても、ボーナスなどの福利厚生や社内での評価方法などに違いが生じています。
そのため、非正規雇用のオペレーターさんが退職してしまう大きな要因は、給料や福利厚生にあるといえます。

最近では「正社員雇用」を謳った求人を出しているコールセンターが増えていますが、まだまだ全体の浸透率は低く、優秀な人材の流出を抑え込むまでには至っていません。

 

1.2.クレーム対応で心が折れてしまう

コールセンターの業務では、インバウンド・アウトバウンド問わずクレーム対応をおこなわなければならない場面があります。
ベテランのオペレーターであれば、気持ちを切り替えた対応をおこなうことができますが、経験の浅いオペレーターは、いちどのクレーム対応で心が折れてしまうことがあります。

クレームの内容にもよりますが、上席対応をおこなうなど、臨機応変な運用が求められます。

 

1.3.研修がずさんで知識が定着しない

主に入社したばかりのオペレーターに多い離職理由です。
「研修の内容が曖昧で理解できない」
「研修担当が頻繁に変わる」
「前の担当者と今回の担当者で説明していることが違う」
など、研修方法がずさんなあまり、『このまま業務に入るのは怖い…』と思われてしまい、会社に対して見切りをつけられてしまうパターンです。

研修をおこなう際は、可能な限り担当者を変えず、研修内容に一貫性をもたせるようにしましょう。

 

2.離職者の増加にともなう現場への影響

 

離職者が増加することで発生するデメリットは多く、現場で働くオペレーターはもちろん、会社にとっても難しいかじ取りが必要になってきます。

離職率が高くなると発生する際立ったマイナス要素は以下の通りです。

 

2.1.応答率の低下

離職者が多くなれば、その分だけ「電話対応をおこなうオペレーターが減少する」ということです。
特にインバウンド業務においては、入電が集中する時間帯に人員を配置することが困難になり、全体の応答率が低下してしまいます。

 

2.2.新人の教育に時間がかかる

新入社員への教育(研修)には、時間的・人員的な制約が多く、どうしてもまとまった研修期間を設けることができないこともあります。

また、研修担当者は現場で実務をおこなっている管理者であることが多いため、研修時間中の管理者人員の配置が難しく、エスカレーション対応などに支障が発生することも珍しくありません。

 

2.3.品質の低下によりクレームが増加する

オペレーターの離職が増えると、おのずとセンターの品質が低下していきます。
その理由としては、ベテランが育たず、新人のみで対応をおこなう形になるため、全体の質が低くなってしまうのです。

その結果として
・お客様を長時間待たせてしまう
・お客様の知りたい内容と異なる案内をしてしまう
・お怒りになったお客様が電話を切ってしまう
など、低品質な対応が多くなってしまい、その結果としてお客様からのクレーム数が増加していきます。

 

2.4.既存オペレーターへの負担が増加する

離職者が発生すると、その人が担っていた業務を別の人が肩代わりしなければなりません。
例えば、離職したオペレーターが1日に30件の入電対応をしていたとします。
その場合、この30件を既存のオペレーターが代わりに対応する必要が出てくるわけです。

離職者が増加するとこの割合がさらに高くってしまい、既存オペレーターはどんどん疲弊してしまい、最悪の場合さらなる離職者を出してしまう危険性もあります。

 

3.コールセンターの離職率を低く抑える方法

離職につながる理由とその影響を解説しましたが、きちんとした対策をおこなえば離職率を抑えることは可能です。

その具体的な方法を以下で解説します。

 

3.1.オペレーターの話しに耳を傾ける

離職を検討する理由は人によりさまざまですが、いちばんの問題は、管理職がオペレーターの話しを聞く姿勢をとらないことです。
電話対応をしていると、クレーム対応などで嫌な思いをすることもあります。
そんなとき、皆さんの職場ではどのような対応がなされているでしょうか?

『仕事だから仕方ないよね』

これで片付けられていませんか?
現場の管理者は、オペレーターとしての実務経験者がほとんどです。
だからこそ、オペレーターの負担や不満を想像することができるはずです。
現場の責任者として、オペレーターに寄り添い、誠実に話を聞き、励ましの声をかける姿勢が大切になります。
また、悩みや改善してほしいことを相談されたときは、抽象的な回答ではなく、具体的な解決策を提示するようにしてください。
中途半端な回答は、ますますオペレーターのやる気をそぐことになり、離職につながるキッカケとなってしまいます。

 

3.2.定期的な研修で業務への自信をつける

コールセンターの業務は、新しい商品の使い方・キャンペーンの適応可否・申込み基準の確認など、つねに最新の知識を頭に入れておかなければなりません。
そのため、定期的な研修や勉強会を実施し、オペレーターが自信をもって仕事に励むことができるような環境作りを進める必要があります。

具体的な例としては
・個別、グループでの勉強時間を設ける
・共有のExcelファイルを設置し、そこに疑問点を書きこんでもらう
 (後日、管理者が質問に対しての回答を入力する)
・全体の共有シートを作成し展開する
 (全体の連絡事項、業務上の変更点などを記載し、朝一で確認するよう習慣化させる)
・録音された通話記録を分析したうえで的確なフィードバックを実施する
などがあります。

特に「的確なフィードバックの実施」は、オペレーターが苦手な項目を明確にすることができるので、本人の苦手意識を克服するだけなく、応対時間の短縮につながるなど、効率の面でも効果があります。

 

3.3.在宅勤務を活用する

コールセンターは顧客情報を扱う観点から、出社が必然となってしまう職業です。
しかし、昨今のコロナウィルスによる影響もあり、コールセンター業を取り巻く環境も少しずつ変化してきています。
それは、コールセンター業の“在宅勤務化”です。
多くのコールセンターでは、現在でも「密閉」「密室」「密接」の3密状態が改善できていません。

その理由としては
・窓を開けると雑音が入る可能性があり、電話対応に差し支える
・パソコンなど業務機器の配置上、どうしても横並びで業務しなくてはならない
・ヘッドセットなどの数が足りず使いまわしで対応している 
などがあげられます。

これらの状況を回避するための方法が、在宅勤務化です。

在宅勤務化を導入することで
・人材の確保がしやすくなる
・光熱費などのコストを削減できる
・自然災害や感染症が蔓延した場合でも仕事の割り振りができる
などのメリットがあります。

もちろん、品質の低下やセキュリティ面での心配などを完全に払しょくすることは難しいですが、今後はコールセンター業界全体として、在宅勤務化がますます増加すると予想されます。

 

クラウド型コールセンターシステム:BlueBean(ブルービーン)

BlueBeanは、クラウド型コールセンターシステムです。全通話録音機能が標準搭載されていますので、「的確なフィードバックの実施」を行うことができます。また、クラウド型なので電話業務を在宅で実施する事が可能です。その他、IPアドレス制限や利用PCの制限設定もできるので、セキュリティも安心です。

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